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第209号:2026年2月3日 発行
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INDEX
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■1 情報提供 ★新掲載
■2 相談員のコラム★新掲載
■3 令和7年度(下期)研修・セミナー・Web研修募集
■4 山口産業保健総合支援センター事業のお知らせ
■5 情報提供 ★年間掲載
■6 副所長コラム 連載記録更新中
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■1 情報提供 【厚生労働省情報他】★新掲載
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1.令和8年度全国安全週間のスローガンを募集します。
「産業界での自主的な労働災害防止活動を推進するとともに、広く一般の安全意識の
高揚と安全活動の定着を図ること」を目的として、6月を準備月間、7月1日から7日
を本週間として、全国安全週間を実施します
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68198.html
2.労働政策審議会建議「労災保険制度の見直しについて」を公表します。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073981_00057.html
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■2 相談員コラム 木村 由湖
産業保健相談員(産業医学担当)歯科医師 労働衛生コンサルタント(保健衛生)
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・誰もが輝き続けられる職場を目指して:高年齢労働者の安全と健康
初めまして。この度、本コラムを担当させていただく労働衛生コンサルタントの
木村由湖です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
今回は、「高年齢者に配慮した職場づくり」をテーマにお伝えします。
・進行する少子高齢化と働く高齢者の現状
最新の総務省人口推計(2025年12月概算値)によると、わが国の総人口は1億2,316万人
で、前年同月に比べ58万4千人減少しました。一方で、65歳以上の人口は3,620万人に達
し、高齢化率は29.3%となっています。2037年にはこの割合が33.3%、つまり「国民の
3人に1人が高齢者」という時代が到来すると予測されています。
こうした背景から、働く意欲を持つ高年齢者がその能力を十分に発揮できるよう「高年
齢者雇用安定法」が整備されてきました。2012年の改正で65歳までの雇用確保が義務化
され、2020年の改正では70歳までの就業機会確保が努力義務化されています。内閣府の
「高齢社会白書」(2025年版)でも、労働力人口に占める65歳以上の割合は13.6%
(2024年)にまで上昇しており、高齢者が働くことは、もはや特別なことではない社会
となっています。
・高年齢労働者における労働災害の現状
高年齢労働者の増加に伴い、無視できないのが労働災害のリスクです。現在推進されて
いる「第14次労働災害防止計画」においても、高年齢労働者の労働災害防止対策は重点
事項の一つです。
令和6年のデータでは、休業4日以上の死傷者のうち、60歳以上の労働者が占める割合は
30.0%に達しています。特に注目すべきは「転倒」による災害です。高年齢女性の転倒
災害発生率は20代の約19倍という驚くべきデータもあります(令和6年労働者死傷病報告)。
これは、加齢に伴う骨密度の低下や、体幹の筋力、平衡感覚、視力・聴力といった身体
機能の変化が要因です。
・職場に求められる「環境」と「個人」への配慮
事業場には、こうした高年齢者の特性に配慮した「エイジフレンドリー」な対応が求め
られます。具体的には、以下の二つの視点が重要です。
1.環境へのアプローチ(ハード面)
(1)通路・作業床の整備:水濡れや油による滑りの解消、段差の撤廃(スロープ化)。
(2)照明の適正化:視力低下を補うため、作業場所や階段の照度を従来より高めに設定する。
(3)整理整頓(5S):つまずきの原因となる荷物を床に置かない徹底した管理。
2.個人へのアプローチ(ソフト面)
(1)リスクチェックの実施: 厚生労働省が推奨する「転倒等リスクチェック」等を行い、
自身の身体能力を客観的に把握してもらう。
(2)健康保持の支援: チェック結果に基づいた運動プログラムの導入や、自治体が実施
する骨粗しょう症検診の受診勧奨。
(3)教育の工夫: パート・アルバイトの方を含め、写真や図解、動画を活用した視覚的
に分かりやすい安全衛生教育を行う。
・最後に
高年齢者が安全に働ける職場は、実は若年層や障がいを持つ方にとっても「働きやすい
職場」に繋がります。改善には公的支援制度や助成金も活用可能です。私たち労働衛生
コンサルタントもそのお手伝いをさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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■3 令和7年度下期 産業保健関係者向け研修・セミナー(2月・3月)
https://www.yamaguchis.johas.go.jp/seminar.html#B25-34
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34テーマ:「Z世代と受け入れる側のストレスとコミュニケーション」
内容 :Z世代と呼ばれる若い世代とのコミュニケーションの特徴と受け入れる側の上
司世代のストレスについて考えていきます。
日時 :令和8年2月16日(月)13:30〜15:30
講師 :宇部フロンティア大学大学院附属 臨床心理相談センター長 木元 卓也
会場 :海峡メッセ下関 805号会議室
35テーマ:「アサーティブな対応を学びましょう〜相手も自分も大切にしたコミュニケー
ション〜」
内容 :感情に任せて怒りをぶつけたり、言いたいことも言えなかったり、そんなこと
はありませんか。対人関係を円滑にするためのコミュニケーションを学びましょう。
日時 :令和8年2月27日(金)13:30〜15:30
講師 :山口産業保健総合支援センター(産業保健専門職)保健師 岸野 朝子
会場 :周南地域地場産業振興センター 会議室3
36テーマ:「転倒・腰痛ゼロへ!〜今日からできる簡単体操と職場環境改善〜」
内容 :従業員の健康管理は、企業にとって重要な課題です。転倒や腰痛は労働災害の
主要な原因となり、企業活動に大きな支障をきたす可能性があります。本セミ
ナーでは、転倒・腰痛のメカニズム、予防のための運動、職場環境改善のポイ
ントなどを専門家が解説いたします。
日時 :令和8年3月3日(火)13:30〜15:30
講師 :合同会社アズユー 理学療法士(相談員・運動指導担当)道祖 悟史
会場 :ココランド山口・宇部 2F リベルテ
37テーマ:「「治療と仕事の両立」の意義や支援について〜生きがいや働きがいを持って
活躍できる社会の実現を目指して〜」
内容 :「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」の説明や取組
事例をご紹介します。
日時 :令和8年3月11日(水)13:30〜15:30
講師 :特定社会保険労務士(メンタルヘルス対策・両立支援促進員) 阿部 純子
会場 :パルトピアやまぐち 第1会議室
https://www.yamaguchis.johas.go.jp/seminar.html#B25-34
■Web研修・セミナーのお申し込みは、以下アドレスよりお願いします。
https://www.yamaguchis.johas.go.jp/m-webseminar.html
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■4 山口産業保健総合支援センター事業のお知らせ
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★メンタルヘルス対策支援(無料)
当センターでは、窓口での相談対応のほか、中小規模事業場(労働者数300人以下)
からの申込を受けて、専門スタッフ(産業カウンセラー、社会保険労務士等)が事業場
を訪問し、以下のメンタルヘルス対策に係る 取組を支援します。
(1)衛生委員会にかかる支援
(2)事業場における実態の把握にかかる支援
(3)「心の健康づくり計画」の策定にかかる支援
(4)メンタルヘルス対策のための事業場内体制の整備にかかる支援
(5)職場環境等の把握と改善にかかる支援
(6)メンタルヘルス不調者の早期発見と適切な対応にかかる支援
(7)職場復帰にかかる支援
(8)教育研修の実施にかかる支援
(9)ストレスチェック制度の導入にかかる支援
(10)職場復帰支援プログラムの作成支援
(11)管理監督者教育(研修)
(12)若年労働者教育(研修)
これら支援は、当センターHPから、お申し込みいただけます。
https://www.yamaguchis.johas.go.jp/mentalhealth.html
または、当センター(電話:083-933-0105)に、お気軽にお問い合わせください。
★治療と仕事の両立支援(無料)
当センターでは、「がん、脳卒中、精神障害、難病などの疾病を抱える労働者に対し
て、適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い、治療と仕事を両立できるようにす
るための事業場における労働者への支援」のお手伝いをいたします。
(1)産業保健担当者向け専門的研修
産業保健スタッフ、人事労務担当者等が具体的に両立支援に取り組むことができるよう
産業保健スタッフ等を対象とした専門的かつ実践的な研修を実施します。
(2)啓発セミナー
「事業場における治療と仕事の両立支援のガイドライン」等の普及・啓発を目的に事業
者等を対象としたセミナーを実施します。
(3)個別訪問支援
両立支援に取組む事業場等からの支援要請を受けて、両立支援促進員(社会保険労務士
等)が事業場に訪問し、相談や職場環境整備(体制づくり、規程・制度整備等)、管理
監督者や労働者に対する治療と仕事への理解を促す教育を実施します。
(4)個別調整支援
事業場と労働者(患者)の間の治療と仕事の両立に関する調整支援
(両立支援プラン、職場復帰支援プラン作成の助言等)を行ないます。
この支援は、労働者(患者)又は企業担当者等からの申出により実施します。
支援の実施に当たっては、ご本人と事業主の同意書が必要になります。
詳しくは、当センターHPをご覧ください。
https://www.yamaguchis.johas.go.jp/ryouritsushien.html
または、当センター(電話083−933−0105)に、お問い合わせください。
★皆藤愛子さんが、産業保健総合支援センターを動画で紹介します
産業保健総合支援センター及び地域産業保健センターが提供するサービスについて、
アナウンサーの皆藤愛子さんがわかりやすく解説します。是非ご覧ください。
https://www.johas.go.jp/Portals/0/sanpocenter/webhiroba.html
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■5 情報提供 ★年間掲載
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1.労働者健康安全機構ホームページ「労災疾病等医学研究・開発」
https://www.johas.go.jp/kenkyu/rosaisippei13bunya/tabid/398/Default.aspx
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■6 副所長コラム 戎本 潤
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皆さまこんにちは。8回目の投稿です。
私事ですが、先月人間ドックを受診しました。私は飲酒をしない割に尿酸値が非常に高く、
一方で痛風未経験でしたので、10年以上にわたって医師から不思議がられていたのです
が、一昨年の5月に遂に痛風を発症しました。左足の内側くるぶし周辺が徐々に麻痺して
いくような感覚があり、気づけば大きく腫れていて、歩くたびに何かに刺されるような激痛
が続きました。痛みは発症翌日をピークに数日で治まり、その後の通院と服薬の結果、
今回の人間ドックでは数値に劇的な改善をみていました。薬の効果なだけかもしれませんが、
とりあえず痛風がネタや笑いで収まってよかったです。
その他、8月にSNSでたまたま目にした「別人級に成長できる習慣」なるものと、ある
研修会で教わった「職場でできる簡単体操」を継続してみたところ、約5カ月で体重が
9キロ減少していました。といってもBMI的にはまだ「肥満」ですが(苦笑)。取組自体
は短時間で簡単にできます(※内容についてご希望の方にはお伝えします)ので、今後も
継続してみようと思います。
ここまでは改善的な話ですが、今回、HbA1cという「直近3カ月くらいの血糖値の
状態を表すらしい数値」が「ありえないほど急上昇」ということで、健診途中に急遽の
別室呼び出しがありました。「これが高いと糖尿病の恐れがある」とのことでしたが、
「前年からの上がり方があまりにも極端で不自然」とのことでもあり、こちらは後日再
検査となりました。
たまたまの数値なら良いですが、まずは「食べ過ぎ」に気を付けようと思います。それに
加えて、もう20年くらい疎遠となった「運動」と向き合わなくてはならないとなると大変
気が思いですが、背に腹は代えられないかもしれません。
さて、今回は前回に続き、「一流スポーツ選手に学ぶ体の操作法」から「リラックス」
のお話をしたいと思います。
【タイガーウッズ選手から学ぶリラックス法】
これも20年以上前に拝聴した中京大学の湯浅景元教授の講演内容の一つです。
そういえば、ウッズ選手はまだ引退したとは聞いてないですね。
さて、ウッズ選手のリラックス法ですが、湯浅先生のお話によると、
◆ウッズ選手はボールを打つ前に、まずボールの後ろに立ってボールを打つ方向を見定める。
◆この時、彼の前腕の筋肉はグッと盛り上がっている。つまり腕に力を入れている。
◆ところが、アドレスに入ったときには前腕の筋肉は力を抜いている。
◆ウッズ選手のように、筋肉に力を入れてから抜くという動作法にはリラックス効果がある。
とのことで、
◆よく、「肩の力を抜け」と言われるが、恐らく人間は言われたとおりに力が抜けない。
◆そこで、逆に肩に思い切り力を入れ、それを20秒保ったら、口からゆっくり吐きながら
肩の力を抜いていく。
◆これを数回繰り返すと肩の力は抜ける。
という内容でした。
確かに「楽にして」と言われると、楽になろうとして逆に「力み」を生んでしまいますね。
野球経験のある人の場合、打席やマウンドで「楽にいけ」と言われて逆に力んだり、「頭で
はわかっているが、どうやって楽にしたらいいんだ」と困惑した経験が例外なくあるはずです。
そこで、逆転の発想ともいいますか「力を抜くために、逆に思い切り力を入れて、呼吸と
ともに抜けさせる」とか、「あえて体のある1か所にだけに力を入れることで、その他の
部分の脱力を図る」といった動きは、様々な場面で大変有効なリラックス法になりうると
思います。「脱力」は口で言うほど簡単ではなく、永遠のテーマだとも思いますが、是非
お試しいただけたらと思います。
【流行り廃りの目まぐるしい現代においても変わらないもの】
現代はあらゆることの進化が早く、流行り廃りも目まぐるしく、「時間ノイローゼ」と
言っても過言ではない世の中ですが、前回の「こけない歩き方」や今回の「リラックスの
方法」といった話は、拝聴から20年以上経過した現在でも、全く廃れていないと私は思います。
他にも、時代の波に飲まれることなく、変わらず存在続けているものは各業界に多くある
と思いますが、そんな時代を超えて廃れないものこそ大事にすべき核となりうるとも思います。
当方においてもすぐに思いつくものとして、
◆ 4S(整理・整頓・清掃・清潔)
があります。「4S」は古くからあらゆる仕事の土台とされていますし、今後も仕事の土台
であり続けることに変わりはないと思います。
※「5S」ともいいますが、5番目のSは色々ありますので、ここでは「4S」とします。
私見ですが「4S」を続けることで「心」への影響があり、有名な格言ですが、
・心が変われば行動が変わる。 ・行動が変われば習慣が変わる。
・習慣が変われば人格が変わる。 ・人格が変われば運命が変わる。
・運命が変われば人生が変わる。
につながることも、あながち大げさではないように思います。
この「4S」に関連して、大阪労働局では令和5年度から「大阪発・新4S運動」を展開
しています(※リンク:001859167.pdf)。
大阪労働局では「新4S」を「Safety(安全)」「Satisfy(満足)」
「Shine(輝く)」「Smile(笑顔)」として「安全は人々を満足させ、輝く
笑顔にします」のスローガンのもと「安全見える化活動」「安全Study活動」
「リスク評価推進活動」「命綱GO活動」の4つの活動を推進する運動を展開していますが、
この活動の基盤に従前の4S(整理・整頓・清掃・清潔)があることが明記されています。
大阪労働局の「新4S運動」は、従前の「4S」を土台とした進化版と言えると思いますが、
であれば、「古くから変わらないもの」は「古くて新しいもの」になりうると思った次第です。
「4S」は一例で、この他にも「KY(危険予知)」や「指差呼称」もそうですし、
こういった「古くから変わらないもの」は各業界の文化において多くあると思います。
これからも大切にしていただくことで「古くて新しいもの」が生まれるなら安全衛生活動、
産業保健活動においても新たな道筋となりうるのではないかとも思います。
それでは、今月はミラノ・コルティナオリンピックも開幕します。寒さに負けずがんばり
ましょう。ご安全に&ご健康に!
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次の配信は3月を予定しております。
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