山口産業保健総合支援センターメールマガジン第176号

投稿者: | 2023-03-01

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山口産保メールマガジン
第176号:2023.03.01
発行:山口産業保健総合支援センター 所長 赤川 悦夫
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INDEX
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■1 産業保健相談員のコラム 〜New〜
■2 情報提供【厚生労働省情報他】★新掲載
■3 令和5年度産業保健関係者等研修会は作成中です
■4 山口産業保健総合支援センター事業のお知らせ
■5 産業保健専門職(保健師)のコラム

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■1 産業保健相談員のコラム 清藤 正裕 
    テーマ:四季の追憶
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 日本には、古くから四季という言葉があります。春季は、3月〜5月、夏季は6月〜8月、
秋季9月〜11月、冬季は、12月〜2月。もっと細かく区切れば「24節気」という言葉で区切
られるほど季節の豊かな変化が特色の日本であります。その季節の変化の中で様々な自然
の営みが感じられ心身の癒やしになってきたものです。しかし、昨今、地球温暖化の影響
かどうか分かりませんが、この四季という区切りが壊れていくような気がしています。
昭和30年、40年頃は、四季の変化がはっきりしており、季節の変わり目に例えば「衣替え」
といった風習で身近に生活の環境の変化を身をもって感じた様な気がします。
中国の詩人・孟浩然(もうこうねん)のことわざで、「春眠暁を覚えず 處處(しょしょ)
蹄鳥(ていちょう)を聞く 夜来 風雨の聲 花おつること 多少なるを知らんや」
というのがあります。
春の夜はまことに眠り心地がいいので、朝が来たことにも気付かず、つい寝過ごしてしま
う。あちこちで小鳥が無いている。昨夜の雨で花も散ったことだろう。と読めますが、ま
さに春は、心も体もうきうきと気持ちの良い時期です。
 春は、艶やかに咲き誇る桜をみながらの散策、青葉をみながら校門をくぐる新入学の子
供達、新入社員の歓迎会等々でみんなの心が弾む季節でありました。
春から盛夏へ移り変わる時期に曇りや雨の日が続く時期を「梅雨」といいます。「梅雨」
は、ジメジメした感じで、若干こころも沈みがちになるときです。しかしこの時期が過ぎ
ると毎日が暑くて大変な時期です。内輪や、扇風機で暑さをしのぎ、蚊帳の中で寝付かれ
ない夜を過ごしたものです。しかし自然はありがたいもので、夕方には一度夕立という雨
が降ります。厚さの中のほんの一瞬涼しさを感じる時間帯もありました。また、暑さに負
けずと海水浴、登山で真っ黒になり、盆踊り、花火大会と夏の風物詩で健康的な生活を営
むこともできる時期でもありました。
 山々の紅葉が眼に入る頃、「天高く馬肥ゆる秋」という格言がありますが、秋は食べ物
が豊富でおいしいです。「夏バテ」で食欲が落ち夏痩せになった体を元気にして冬に備え
ます。一方、「読書の秋」でもあります。木陰のベンチで、読書にふけったものです。
私は、夏目漱石が好きで「草枕」「三四郎」「我が輩は猫である」「心」「坊ちゃん」
「門」などを幾度となく読んだものです。又、秋は、お祭りが多い時期でもあります。
多分、各地域の氏神様に五穀豊穣のお礼をするためでしょう。お祭りに出向いて出店のお
菓子を頬張りながら、一服の清涼を味わったものです。秋は、こころをゆったりさせてく
れる季節です。
 冬はやはり寒いです。山口市でも「鳳翩(ほうべん)おろしに藁を敷け。」ということ
わざがあります。鳳翩山から北風が吹き下ろすと、冬の到来です。農家の人々は冬野菜に
藁を敷くなど して防霜対策を急いだものです。今は、雪が降り積もることはあまりあり
ませんが、以前は山口県でもかなりの積雪がありました。積もった雪は1週間程度解けな
いで屋根の上や、冬木立の陰に白く彩っていました。屋根の雪が解けると夜にそれが凍り
「つらら」となり寒い朝を迎えたものです。暖房は、今のようなエヤコンは無く、職場で
は石炭ストーブ、家庭では練炭や炭火を使用した火鉢や電気こたつに入り寒さをしのいだ
ものです。事務所でストーブを囲んで朝の会話が弾み職場の雰囲気がなんとなく和んだよ
うな気がします。
 冬も終わりに近づくと、「東風吹かばにほひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ」
菅原道真の歌にもありますように梅が咲きほころび、鶯の鳴き声とともに春の到来を告げ
るのです。
 このように1年365日が、四季によって区分され、それに伴って、私たちの生活の営みも
変えていったものです。
 節目節目で、立ち止まりこころの切り替えをすることができ、そこから新たに一歩を踏
み出す活力をもらったような気がします。
今は、そのような四季の流れはあまり感じられなくなったような気がします。四季の境が
はっきりしないまま季節が進んでいるようです。その上異常気象かどうか分かりませんが、
あっちこっちで、水害や大雪(湿雪)による災害が発生しています。少なからず人々の心
身に影響を与え、社会全体のストレスとなりこころを痛める人が増えているのではないか
と思っています。厳しい社会環境において、せめて、自然だけでも豊かになれば仕事で蓄
積された疲労感が癒やされ快復し、心身の健康も保てるのではと思います。
日本の自然の美観は大事にしましょう。

       山口産業保健総合支援センター  相談員 清藤 正裕

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■2 情報提供 【厚生労働省情報他】★新掲載
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1.「第14次労働災害防止計画」について労働政策審議会が答申(厚生労働省)
 第14次労働災害防止計画について、2月13日労働政策審議会に諮問され、同日答申され
 ました。これにより次年度からスタートする第14次労働災害防止計画が決定しました。
 ◯概要についてはこちらです。
 https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001057236.pdf

 ◯第14次労働災害防止計画諮問文全文についてはこちらです。
 https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001057752.pdf

2.令和3年度「喫煙環境に関する実態調査」の結果を公表
 厚生労働省は、「喫煙環境に関する実態調査」を実施し、その結果の概要版を公表しま
 した。この調査は、平成30年7月に成立した「健康増進法の一部を改正する法律」が
 令和2年4月に全面施行された後の状況を調査し、施行後5年を経過した場合において
 さらなる対策の必要性を検討するための基礎資料を得ることを目的としたものです。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30463.html

3.令和4年度「『見える』安全活動コンクール」」の優良事例を決定しました
 優良事例として特に企業等の創意工夫が認められた安全衛生に関する80事例を決定しま
 した。
 https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzenproject/concour/2022/result.html

4.産業保健関係助成金の不正受給事案の公表について
 独立行政法人労働者健康安全機構(以下「機構」という。)において実施していた「産
 業保健関係助成金」(平成27年度分〜令和3年度分)について、小規模事業場産業医活
 動助成金等を不正受給した事業者が確認されました。
 https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/001062708.pdf

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■3 令和5年度 産業保健関係者等研修会のご案内について
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 現在、作成中です。3月末には完成しホームページ等でご案内いたします。

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■4 山口産業保健総合支援センター事業のお知らせ
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★メンタルヘルス対策支援(無料)
 当センターでは、窓口での相談対応のほか、中小規模事業場(労働者数300人以下)か
らの申込を受けて、専門スタッフ(産業カウンセラー、社会保険労務士等)が事業場を訪
問し、以下のメンタルヘルス対策に係る取組を支援します。
 1 事業場の相談体制の整備
 2 管理職等へのラインケア研修
 3 若手社員へのセルフケア研修
 4 メンタルヘルス不調者の職場復帰
 5 「心の健康づくり計画」の策定
 6 ストレスチェック制度の導入
 7 職場環境等の改善
これら支援は、当センターHPから、お申し込みいただけます。
https://www.yamaguchis.johas.go.jp/mentalhealth.html
または、当センター(電話083-933-0105)に、お気軽にお問い合わせください。

★谷原章介さんが、産業保健総合支援センターを動画で紹介します
 産業保健総合支援センター及び地域産業保健センターが提供するサービスについて、俳
優の谷原章介さんがわかりやすく解説します。是非ご覧ください。
https://www.johas.go.jp/Portals/0/sanpocenter/webhiroba.html

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■5 産業保健専門職(保健師)のコラム
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 3月3日といえば桃の節句を連想される方が多いと思いますが、今月は「耳の日」につい
てお話したいと思います。
 「耳の日」は、難聴と言語障害をもつ人びとの悩みを少しでも解決したいという、社会
福祉への願いから始められたものです。日本耳鼻咽喉科学会の提案により昭和31年に制定
され、毎年、都道府県ごとに、健康な耳の大切さを知ってもらうため、さまざまな活動が
行われています。
 耳に関する疾病はたくさんありますが、今回は「外耳炎」についてお話します。
 耳の入り口から、耳の奥の鼓膜までを結ぶ通り道を「外耳道」といいます。外耳炎とは、
何らかの物理的な刺激によって外耳道の皮膚が傷つき、そこから細菌が感染して炎症を起
こす病気です。主な症状は、かゆみや軽い痛み。進行した場合は、強い痛みや外耳道のた
だれ、周囲の音や声が聞こえづらくなるといった症状があります。かゆみが続く時は、で
きるだけ早く耳鼻科などを受診することが早期回復のポイントです。
 また、外耳炎の引き金となる要因には「物理的な刺激」が多いため、テレワークやWeb
会議、音楽やゲームなどでイヤホンを使う機会が多い方も要注意です。
耳にぴったりフィットするイヤホンを選んだり、イヤホンを耳の奥のほうまでぐっと押し
込んで使用すると、外耳道の皮膚を傷つけ炎症の原因となることもあります。
イヤホンの使用中や使用後に、違和感や痛みを感じたら、そのイヤホンが耳に合っていな
いというサインです。サイズダウンや、やわらかい素材のものを使用したり、ヘッドホン
タイプに変更するのがお勧めです。
 また、長時間連続して使用することも避けましょう。長時間イヤホンを使用していると、
耳の奥の内耳という器官にも影響し、少しずつ聞こえが悪くなっていくことがあります。
連続してイヤホンを使用する場合は、1時間程度に1度、休憩をとること、音量が大きく
ならないように、ボリュームを調整するなど、予防を心がけましょう。
 普段の何気ない習慣が、聞こえづらさや耳鳴りの原因となることもあります。違和感や
痛み、耳鳴りを感じたら、早めに受診することをお勧めします。

   参考:一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

                             保健師 山藤 紀子

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次の配信は4月を予定しております。
これまでのメールマガジンのバックナンバーは、下記よりご覧いただけます。
https://yamaguchis.johas.go.jp/blog/?cat=4

配信停止やメールアドレスの変更等のご連絡は下記よりお願いいたします。
https://www.yamaguchis.johas.go.jp/m-mail.html

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【メールマガジン発行者】
独立行政法人 労働者健康安全機構 山口産業保健総合支援センター
〒753-0051
山口市旭通り2−9−19 山口建設ビル4階
TEL:083-933-0105 FAX:083-933-0106
URL:https://www.yamaguchis.johas.go.jp/
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